昭和４５年１０月１５日　朝のご理解



　御神訓　信心の心得　一「真の道に入れば第一に心の疑いの雲を払えよ。」

　お互いが疑いの雲を払いたい、本当に信じたい、信じさえすればそこに安心が生まれる、信じれば安心が生まれるけれども、信じれない所に不安がある。信心は安心のおかげを頂くと云う事が最高の又、最終の目的である。そこで自分自身が真の道に入らせて頂いて、どれ程、神様を信じておるかと云う事は自分の安心の度合いと言う事になりますでしょう、自分の安心をしておるという、その度合いと言うのが神様を信じておると言う事になりましよう。
　そこでお互い日々こうして、信心の稽古させて頂いておる。神様のいわゆる御恵みの中に生かされて生きておるという事実。一番確かな事と言うたら、私はその事だとこう思う。自分の力、自分の考え、と言うのではなくて、もう一から十まで神様の御神意の中に神様の御恵みの中に、全てがあああってこうあるのだと。そういう絶対な物、一番確かな事実というものをです、私は先ず分かる事だと思う。
　中々話を聞いて、成程合点が言っただけではいかん。心から神様のおかげを頂かなければ、本当にいわゆるここ一寸動く事すら出来ない私だと云う事を。そこで私共はそういう確かな物を確かめる、又は自分の物にして行く事の為に色々に話を聞いて、それを行じて行くと云う事。眼が覚めた今日（こんにち）もお生きかしのおかげを頂いておる事実を、私共が確かめた時に心の底から、あつい御礼の言葉が感じられ、又言葉が出て来ると思うのですけれどなかなか、そういう実感として。
　有り難い物になってでて来ないところにです、まあだ神様のおかげで生きておるんだと言う様な事実に触れていない証拠です。疑う余地のない程しの確かな事を頂きながら、それを確かな物にしえないと言う所に人間のどうにも仕様のない、一つの人間の業と言った様な物を感じます。そこで矢張り本気で一つ教えを頂いて、教えを行じると言う事に精進するそこに生き生きとした、神様を分からしてもらう。
　昨日福岡の高橋さんが昨日は終日神様の御用をなさっておられる。その終日御用をなさっておられるにもかかわらず、そのちょっと此の隙間合間と言う所に、自分がなさらなければならない御用というものが、もう見事に出来ておる。神様の御用を一生懸命させてもらう、その合間合間にです、きちっと自分のお店の事ならお店の事の御用が出来ている、そのタイミングというたら只驚くばかり。
　そこで感じられる事はどう云う事かというと、成る程神の御用を足せば氏子の用は神が足してやると仰るが、本当にそうだなと云う事を信じられる。そこでならその御用はいよいよ生き生きとしたものに成って来るその御用が愈々有り難いものに成って来るですから。ですからどうしても私共は先ず、教えを頂くというか、それを行ずると云う事を、まず先にさせて頂かないとです。
　そうした神様の本当の働きを間違いなしにその様な働きを頂いておる確かな事。神様のおかげを頂かなければここ、本当に一寸動けぬ程しの確かさ、確かなものを頂いておっても、それが漠然としたものであって、有り難いと言うものにつながらない、そういう確かなものをです、確かなものにいよいよさせて頂く為に教えを行ずると云う事になるのです。成る程神の用を足しておれば、氏子の用は神が足してやると仰る。
　その神様が仰って下さる、その裏付けになる体験が生まれて来る。そういう例えば、日々いわゆる神様を生き生きとして自分の周辺に感じられる。そこからです、私はいわゆる眼が見えておる事、耳が聞こえてる事、手足が動いておる事。それがこよない。いよいよ有り難いものに感じられて来る様になる。それが私は信心だとこう思う。絶対なもの、確かなもの、それは自分自身が生かされて生きておると言う事実。
　それを実感してです、有り難いなあと、朝眼がさめる、その事に有り難いをまず満空の感謝が捧げられる。洗顔をする、お便所へ行く、もう本当に冷たい水の中にてを差し込ませて頂いた時にです、もうそこに実感として神様を感じる。もう本当に全然大小便のスムーズなおかげを頂いておると言う事だけでも、もうちょっともう有り難うしてこたえん、もしこれが出なかったらどう言う事になるだろうかと思うただけでもです。
　本当に心の底から、生神金光大神様、天地の親神様有り難う御座いますと言う事に成って来る。そういう例えば間違いのないおかげの事実というものをです、私共がふんまえての生活。そんなら理屈の上に於いては、それが分からせて頂いても、有り難いと言うものがそれに伴うてこなければ、此の様にも間違いのない広大なおかげを頂いておる事も、有り難いものになって来ない。
　そこで私共がです、教えに取り組む、本気で教えを行じさせてもらう。そして神様の働きの間違いなさを感じる、その感じる度合いがいよいよ間違いのない事に対する感謝の心に成って来る訳です。だから私共は日々いわゆる、御利益ですね、おかげを受けさせて本当におかげを実感しないとですね、私共はね疑いの雲というのものは、払えども払えども、払う事の出来ない事になってしまう、そこには喜びも何にもない、生活があるだけになってしまう。
　だんだんそれ程しのおかげを頂いておっても、いうなら高橋さんの例で申しますならば、その様な神様のお働きを感じる程しに頂いておっても、それが何かの調子にそれが大変この虚ろなものになって来る。そういう例えばところをですね、繰り返し繰り返し通らせて頂きながら、それを絶対なものにして行くと云うところに、辛抱すると云う事が大切と云う事が分かります。
　信心には辛抱する事が一番大切で御座いますと仰る様に、確かに間違いのない神様の働きを実感する事が出来る時もありゃ、実感出来ない時もある。だからそういう時が私は辛抱だと思います。一番確かな事の中に自分自身と言う者を、自分自身の正体と云う者を分かって行く精進があります。そこに自分自身の正体というものがはっきりして来る。そこからね、もったいないとか。
　有り難いというものが非常に強くなって来る。信心をすれば一年一年有り難うなって来ると、こう仰せられる。一年一年有り難うなって来るというのは、おかげを頂くから、有り難くなって行くと云う事もありますけれども、自分自身が分かって行く、と言う事がいよいよその有り難い度合いというものが強うなって行く、そこから自分自身の改まりと言う様な事にもなって来る。
　自分自身が自分で信じられる自分になる精進がなされる、それに比例して神様を信ずる力、信ずる心というものが段々強うなって来る。教えを頂いて、教えを守らせてもらう、そこから体験が生まれる、神様の間違いなさを信ずる事が出来る。真の道に居れば第一に心の疑いの雲を払えよと、真の道に入ると云う事がどういう事かと、それは信心の道と云う事でもありますけれども、それはあまりに漠然としておる。
　真の道というのは、自分自身がいよいよ分からせてもらうと同時に神様を信じていけれる道、安心していけれる道、そういう道をいよいよ確かなものにして行く。いよいよ疑う余地がない、信ずるより他にない、ので御座いますけれども、何年信心しよっても、それが漠然として来る事がある。確かにこの神様は結局、自分達の心次第であって、百の力を持って精進すれば、矢張り百の体験が生まれる、それを千の力を持って神様に向かえば、矢張り千の体験が生まれる。
　只、御願いをして、おかげを頂くと言うだけでは、それはそのおかげ、そのものがおかげを受けた時には、成る程神様ちゃ間違いがないと思うけれども、それは寂しいものに終わってしまう、教えを行じて生まれてくる体験なら、それが一つひとつ、自分のものになって行くという、その一つひとつ自分のものになって行く積み上げがいよいよ疑いの雲を払うて行く事になるのですから、私共が一片の疑う余地もない程しに神様を信じさせてもらう、それにつながるのが、安心である、同時に信心の喜びである。
　私共が疑いの雲を払わせて頂くという、そんなら、どうしたならば、疑いの雲がはれるだろうかと、云うておるだけでは疑いの雲は晴れるものではない。そういう一つひとつのいわゆる真の道に入れば、真の道を行ずる。いうなら教えに忠実になると云う事、そこからいうなら、確実な体験が伴うて来る。そこに疑いの雲がいよいよ払われて行く所のおかげ。
　疑いの雲が払われて来る所から生まれて来る有り難いと言う心、その有り難い心に、又おかげが受けられて行く。そして、一番確かな、間違いのない事実というか、いうなら生かされて生きて居るというその事実、そういう事実が本当に事実として、その事に対する神恩又は報謝の心というものがある。眼に見えておる事が有り難い、耳が聞こえておる事が有り難い、手が動いておる、足が動いておる事が有り難い。
　その有り難さというものが身に付いて来る所にです、もう私共の周囲には、自分の内、中身から生まれて来る有り難さ、それに形が伴うて来るおかげの有り難さがいよいよ信心しておれば、一年一年有り難うなって来るというその有り難さが身に付いて来ると云う事になるのですね。どんなに確かな間違いのない事を聞かせて頂いても、いうなら生かされて生きておると言うこの事実、こんなに確かな事はない。
　その確かな事に対して、御礼が言えない、その確かな事に対して絶対なものに対して、私は御礼が言えれる生活をまず、体得していかなければならない。それには、理屈で聞いただけでは分からない、矢張り只御願いをしておかげを受けたというだけのおかげは、それは自分の思う様になったというおかげだけでは、頼りない結果にしかならない。そこで私共が本気で教えに忠実に行じて行くと云う事から、神様の働きを体験させてもらうと、そこに神様の働きの間違いなさと信ずる事が出来、そういうおかげから、私はいよいよ確かなものへのおかげに対する感謝の心というものが強うなって来る。
　信心によって頂く所の有り難いもったいないと言う心、それがいよいよ神様を信じて疑わない疑わんで済む、一片の疑う余地もない程しに有り難いものに育って行く。真の道に入ればまず、なんというても、だから真の道を行じなければならない。その真の道というものは教えを本気で行ずる事、そこから話に聞いて分かっただけの確かなものがいよいよ実感として、確かなものになって来る。
　そこに、いわゆる疑う余地のない信心生活、神様を信じて疑わない信心生活、それに続いて頂けるのが安心である。第一に疑いの雲を払えよと。いわれて払えるものではない、そのうたがいの雲を払う為の精進がなされなければならん。うたがいの雲を払わせてもらい、信ずる力がいよいよ強うなる、そういう生活、しかもそれは一番確かな事、一番確かなもの、それは生かされて生きておるという事実、その事実がね。
　体験の裏付けを持って、その事の事実が事実として感じられる。眼が覚めた途端に有り難いなと思わせてもらえれる私にならせて頂くと、いわゆるこの生きておる事実に対するその喜びというか、感謝というか、これが一番確かなものなのです。間違いのない事。所がそういう間違いのない事実を頂いておりながらです、その事はもう何かしらんけれども、御礼の対象にはならない。
　只自分が願う事だけが成就する事だけをおかげと思うておる。勿論そういうおかげも頂かなければならない為には、只教えを本気で守らせてもろうて、願うて行くおかげを受けて、神様の間違いのない働きと同時に一番間違いのないおかげに対する御礼の言えれる信心を目指させてもらう。本当に疑いの雲を払わせてもらう。疑うどういう問題があっても、生きておる事実に直面し、生きておる事実をそこに確かめたら、もう全ての事はです、有り難いと言う事になって来る。四神様、二代金光様の御教えの中に。
　どんなに例えば苦しい事があっても、どんなに例えば痛い辛いと言う様な事があっても、それは生きておるからじゃと。死んでおったら冷たいも暑いも感じんぞという意味の事を教えておられます。私はそういう間違いのない事実をです、一つふんまえて信心が出来るおかげが頂きたいと思う。どんなに苦しい事があってもです、苦しいと云う事を感じておると言う事は、お前が生きておるからだと。
　死んでおれば暑いも寒いも感じんのだぞと云うておられます。だから本当に生かされて生きておると云う事はその様に素晴らしいこと。頭が痛いとか、腹が痛むとか、死んでおればもう痛いも冷たいもない、生きておる事実がそこにある証拠に頭が痛いのである、腹が痛いのであるから、成る程苦しゅうあろうけれども生きておる喜びの有り難さとものが、そこに出来て来る、そういう信心を身に付けて行きたい。そこにはもう疑う余地がない、そういうおかげを受けておる事の事実をね、おかげと実感出来れる為に、いよいよ教えに忠実にならなければならんと思いますね。
　　　どうぞ。